遊宝洞

ボードゲーム リプレイ「アンドールの伝説」(その2・後編)

2014年10月28日
 〜前回までのあらすじ〜

 霧の中の魔女を探していた勇者達はようやく魔女から薬草のありかを聞き出す。山に向かったリファルドスがこれの回収に向かい、他の勇者達は奪取を信じて戦力の拡充に奔走する。しかし、リファルドスの装備は粗末なもので……


リファルドス「喰らえ、俺の渾身の火炎魔法!」


リファルドスは薬草を持つゴルを待ち構え、呪文を放った。しかし、薬草を持つゴルは一味(ダイス目の運が)違うのか、この一撃をひらりとかわした。


リファルドス「何!? ゴルのくせに生意気な! こちとら井戸水も飲んで体調は万全なんだ、早くぶっ倒れ……ぐあ! 反撃くらった……」


 リファルドスの気合と裏腹に、ゴルの勢いのある一撃が鼻っ柱を砕く。続く3撃目もかわされ、何と3時間(3ターン)ぶっ続けで戦っても薬草持ちのゴルに1ダメージも与えることができない。


クラム「何だかえらく苦戦しておるのぅ。ワシが手を貸すか?」

リファルドス「この程度の敵で助けを求めるなんて勇者の名折れだ! ここは俺に任せろ!」


 3時間以上経過している時点で名折れもヘッタクレもないとは思うのだが、接敵したら倒したくなるのが人情というものだろう。もはやリファルドスはどんな悲惨な未来が待ち受けていようとも、ゴルを打ち倒すまで引き下がることはないだろう。
←戦い続けるリファルドスさん。
リファルドス「よし、ようやく1ダメージが入ったぜ!」


 賢明な者はリファルドスの姿をよく目に焼きつけ、賭け事などで身を滅ぼさないように自らを戒めるべきだろう。

 リファルドスがゴルを葬り去ることができたのはさらに3時間後、計6時間を費やす結果となり、日は暮れかけていた。時給換算にすると実に0.33ゴールド。儲けにうるさいリファルドスにしては割りの合わない戦いだったと言えるだろう。


リファルドス「やったぞ皆、薬草をようやく手に入れたぞ!」

ソーン「よくやったぞ、リファルドス。君が戦っている間に、私はルーン石をすべて集めた。これによって戦闘では1〜6ではなく、6〜12の攻撃力を出せる魔界ダイスを振ることができるようになったんだ」

クラム「ワシは鉱山の仲間のところに立ち寄り、掻き集めたゴールドで攻撃力を3倍に伸ばしたんじゃ」

チャダ「急いで薬草を届けて。一刻も早く砦に向かわないと、魔物に城が蹂躙されてしまうわ」

リファルドス「お、おう、知らないうちに皆、強くなっていたんだな。うん、ほら俺も2ゴールド拾ったからさ。武器を鍛えてから合流するよ、うん……」


 時は金なり、刻一刻と危機は眼前に迫っている。鷹に託された薬草は無事城に届けられ、王の体調の心配はなくなった。
 だが、リファルドスがゴルを倒すとそれに呼応するように黒い魔物ヴァルドラクも姿を現した。
←ヴァンドラク出現。
 見た目がいかにも強そうな感じです。  
 ヴァルドラクは他の魔物の2倍のスピードで侵攻し、その意志力や攻撃力もゴルやスクラルの比ではない。
 王の体調が回復したところで、次には魔物に城を蹂躙される危機が迫っていたのだ。


ソーン「ヴァルドラクはかなりの強敵だ。まともに相手をしていてはいられないぞ」

チャダ「そうね。幸い、農民を避難させたことで城の耐久力は上がっているわ。ヴァルドラクと城に近いスクラルは城の衛兵に抑えてもらって、私達は水際で防衛線を張りましょう!」

クラム「ワシらは今のうちに砦の直前まで進むぞ。リファルドス、お主は歩けるか?」

リファルドス「バカにするな! さっき時間が掛かったのはたまたまなんだよ」 


 探索に向かっていたクラムとリファルドスが城の防衛に回るのは現実的ではない。溢れかえる魔物の数に対してソーンとチャダの2人で当たる必要があるのだ。
←誰がどの敵を倒すか。
 勇者たちは入念に協議した。
チャダ「やだ! あのゴルに逃げられちゃったわ!」

ソーン「く、共同攻撃を渋ったのが裏目に出たか。私が夜中の追加行動で迎撃する。ルーン石の力さえあれば、やれるはずだ!」


 魔物の苛烈なる侵攻は必死の抵抗を続ける2人をあざ笑うかのように迫ってくる。魔物の群れに紛れ、ヴァルドラク2体は一夜のうちに城へと突入。城はあと1体でも侵入も許せば蹂躙されてしまう、ギリギリのラインに追い込まれてしまった。


リファルドス「奴ら、一体なんて速さだ! こうなったら俺も!」

クラム「待て、ここで離れては砦への攻撃タイミングがずれる。ここは2人を信じて辛抱するんじゃ!」

リファルドス「そ、そうだな。じゃあせめてあそこの霧の中を探索して、武器がないかを探してくるぜ」


 攻防の外にいるリファルドスは(暇だからか)未探索になっていた地点を探索。すると、アンドールの神々の気まぐれか。北からの海風が吹きすさび、城で戦うソーンとチャダの意思力がマイナスされてしまった。


ソーン「こ、この風は!」

チャダ「ちょっと、余計なことしないでよ!」

リファルドス「ん? 何だか遠くの方で悲鳴が聞こえるな……あ〜あ、そうだよなぁ、武器なんて簡単に落ちちゃいないよなぁ」


 仲間に足を引っ張られる結果となったソーンとチャダだが、何とか城付近のゴル達を殲滅。報酬もたんまりと獲得し、満を持して砦攻略へと向かう。


クラム「いよいよ最終決戦じゃな。ワシも武器を限界まで鍛え上げておいたぞ」

ソーン「戦力の最終調整をしておこう。リファルドス、鷹をこっちに寄こしてくれ」

リファルドス「鷹を? どうする気だ」

ソーン「ルーン石は私が持っているより、お前の方が使いこなせるだろう。私は剣を鍛えてから向かうので、ゴールドと交換するんだ」

リファルドス「そういうことか、分かったぜ……今計算してみたが、攻撃力40にも十分対応できるぐらいの攻撃力が備わっている。これなら楽勝だな」

チャダ「まだ戦いは終わっていないわ。気を抜かないで!」


 武器の強化にルーン石、魔女薬を加えた勇者達の戦力は、修羅場を乗り越えた結果、猛烈に強化されていたのだ。
 これならば砦のスクラルと互角以上に戦うことができるだろう。
←最終決戦!
クラム「まずはワシとリファルドスで先制じゃ!」

チャダ「私も続くわ」

ソーン「これで私がゾロ目を出せれば、“兜”の力でダメージが……! く、ゾロ目が出ない!?」

リファルドス「安心しな、ソーン、俺の力でダイス目を強引にゾロ目にしてやる! これでスクラルに致命傷を喰らわせてやれ!」


 ソーンの装備している“兜”は戦闘で振るダイスでゾロ目が出せれば攻撃力が倍増するアイテム。リファルドスはそのダイス目を操作できる力を持っており、2人の特性を掛け合わせることで攻撃力を大幅に引き上げたのだ。


チャダ「やったわね、リファルドス。何だかすごく久々に活躍した気がするわ!

リファルドス素直にすごいって言っていいんだぜ?(怒)


 一撃こそ耐えた砦のスクラルだったが、鍛え上げられた武器と勇者達の連携の前に倒れた。すると城に押しかけていた魔物達も蜘蛛の子を散らすように逃げ去っていった。


クラム「ふむ、ギリギリじゃったが、何とか間に合ったのぅ」

ソーン「ああ、何だか“ギリギリになるように誰かが調整”している様な気もするが、任務を達成できて何よりだ」

チャダ「ええ、また魔物達は襲い掛かってくるのでしょうけど、また皆で乗り越えたいわね」

リファルドス「そうだな、まぁ、次も俺様の力が加われば楽勝だろうがな」

チャダ「リファルドス、あなたはその適当な所、少し直した方がいいわよ?」

ソーン「…………」

クラム「(口は災いの元、さわらぬ神に祟りなし、じゃな……)」



……………………



 いかがでしたでしょうか?
 わずか3回の文量ではなかなか伝わらないロールプレイならではの面白さが詰まった「アンドールの伝説」。
 プレイヤー同士の勝ち負けではなく、合同勝利を目指すゲームなので、友人との仲を深めるにはもってこいのゲームと言えるでしょう。
 皆さんが冒険をするときは一体どんな展開の物語が展開されるでしょうか?


 ファンタジー好きな仲間が集まった際には、失敗を恐れず、是非チャレンジしてみてください!

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