遊宝洞

遊宝洞活動ログ ESSEN SPIEL'04参加レポート(後編)

2014年10月7日
(※編注 この記事は旧遊宝洞ホームページに掲載されていた
 2004年にドイツで開催されたESSEN SPIEL'04への参加レポートを再編集したものです。)


10/22 (金) 2日目 


 この日、ユリアンに変わって手伝いに来てくれたのがヘンドリック。(写真右)

ヘンドリック 「昨日は来れなくてごめんなさい。ガールフレンドの誕生会だったから。」
中村   「そりゃそうだ。恋人のバースデイをすっぽかすわけにはいかないね。」
ヘンドリック 「違うよ! 恋人じゃなくて大切な友人だよ。」

 ですって。かわいいなあ。
 2日目も平日にも関わらず、見渡す限りの人の波が押し寄せる。さあがんばらないと。
 とあるお客様との会話。去年も来てくださった方なのだろう。顔に見覚えがある。
お客様A 「新作は『伝説のかけら』と『仮面舞踏会』とどちらに近いの?」
中村   「難易度的にはちょうど間くらいですね。」
お客様A 「そうかあ。妻が『伝説のかけら』を気に入っていたんだがなあ…。」
 そういえば、去年はご夫妻で来てくださっていた。どちらかというと旦那さんの方が大騒ぎしていて、奥さんがあわせてあげていたような気もするけれど…。このご夫妻のようなライト・ゲーマーには、できるだけ簡単で騒げるゲームが良かったのかな。

 と思えば、別のお客様から正反対の反応を受けたりする。
お客様B 「簡単なのか残念だ。『仮面舞踏会』くらい手ごわいのが好きなんだけどなあ。」
 こちらは体全体からディープゲーマーなオーラがあふれている青年。いかにドイツのマーケットが広いかがよくわかる。どんなゲームにもニーズがあって、だからこそあれほど毎年新しいゲームが発売されているのだろう。

 驚いたことに見覚えのあるお客様は彼らだけではなかった。なんと、「マジック・ザ・ギャザリング」の作者リチャード・ガーフィールドがのぞきに来てくれたのだ! 「マジック」のトーナメント・プレイヤーでもある私にとって、彼は心から尊敬するデザイナーのひとり。大慌てで商品一式を献上した。くしくも「妖精奇譚」は「マジック」のブースター・ドラフトを参考にして作ったゲームである。気に入ってもらえるといいなあ。

 そして…、この日会場が閉まった時、期待しつつも恐れていた結果が現実となった。そう、「妖精奇譚」が売り切れてしまったのだ。まだ、いわばイベントの本番ともいえる週末2日が丸々残っているというのに! デザイナーとしてこの売れ行きは間違いなくうれしい。同時に、経営者として商品数の見誤りはあまりにくやしい。複雑な表情をしていたであろう私たちに、向かい側のブースの Top License 社の方がお祝いを言いに来てくれた。
 彼らの微笑みにやっとうれしさがこみあげてくる。
 そうだよな。反省すべき点はある。だけどこれは間違いなく成功だ。

10/23 (土) 3日目

 「申し訳ありませんが、『妖精奇譚』は売り切れました。代金と送料をお支払いいただければ、後日日本より送付させていただきます。」 クリスちゃんに頼んで、この文章を英語・ドイツ語に翻訳してもらう。それがこの日最初の仕事になった。
 主商品が売り切れたとはいえ、せっかくの機会だからできるだけたくさんの人に遊んでもらおうとデモプレイは続行。「伝説のかけら」と「仮面舞踏会」は残っているしね。

 この日の風景その1。ユリアンのママ登場。昨年ユリアンから聞いていた印象の通りの、ちょっぴり厳しそうな知的な美人でありました。

 この日の風景その2。遊宝洞のブースのすぐ近くにドーナツやコーヒーの売店があった。忙しくてとても昼食など取れない我々は、昼間のエネルギー補給はほとんどそこに頼っていたと言っていい。この日何度目かの買出しに赴いた弓絵さんの発言。
弓絵さん 「いつも15入り買ってたのに9個入りを頼んだら、すっごい大きい声で『ナイン??!!』って聞き返された〜。」9個ですんません。

 この日の風景その3。ESSEN SPIEL の主催者の女性が登場。なんでもドイツの大臣が視察にくるらしく、そのコースのひとつとして明日うちのブースにも寄るらしい。「大変名誉なことなので、くれぐれも失礼のないように」とのこと。へえ〜。今年日本のブース多いからかなあ。…と期待させつつ、時間切れで来なかった大臣であった。ちゃんちゃん。
 この日の風景その4。ガーフィールド氏、弟さんを連れて再登場。もらったゲームのルールを覚えに来たとのこと。
無表情に遊んでるなあ、気に入らないのかなあ。あ、勝ったらニヤ〜と笑った。気に入ってくれたらしい。

感想その1、ガーフィールド博士ってば超ゲーマー。
感想その2、この兄弟そっくりだ。
 この日、ついに「伝説のかけら」も完売。残るは「仮面舞踏会」数個のみになった。

 イベント終了後、クリスちゃんと彼の友人とともに夕食。ドイツと日本のゲーム事情を肴に酒を飲む楽しい一夜となった。

中村     「ドイツ語の勉強を始めたけど、単語の変化が多すぎて覚えるのが大変。」
クリスちゃん 「日本語の漢字はもっと大変だよ! 漢字の勉強は大嫌いだった。」

 なるほど。偏とつくりを組み合わせて漢字を作るゲーム「漢字博士」を送ってあげようと言ったら、ふたりとも全力で首を横に振っていた。
10/24 (日) 最終日

 ついに最終日。充実したイベントもこの日が最後。がんばらなくては。

 この日の風景その1。ヘンドリックの弟たち登場。うわあかわいいなあ。ついでにヘンドリックの「大切な」女友達も登場。美人じゃん。がんばれヘンドリック!

 この日の風景その2。香港や台湾のショップの方、これからドイツでショップを開く方、いろんな雑誌のライターの方、などなどビジネスや取材のお話がちらほら。ひょっとしたら将来につながってくれるかな?

 この日の風景その3。ヘンドリックが自分の名前を日本語でどう書くかを知りたがる。せっかくなので、ひらがな・カタカナだけでなく漢字を色々選ばせてみた。結局できるだけ簡単な漢字を選んでいったので彼の名前は「変土六」に決定。夜露死苦。

 この日の風景その4。デモ・プレイのお客様でテーブルがいっぱいの状態の時のこと。遠巻きにうらやましそうに通り過ぎる二人連れの男性が。ガーフィールド兄弟じゃん! 気に入ってまた遊びに来てくれたなのかしら? ごめんなさいガーフィールド博士!
 ついに「仮面舞踏会」も完売する。「妖精奇譚」も6人もの方は送料の負担までして郵送での発注をしてくださった。さらには、デモ用で使い古した商品やサンプルとしてファイルに入っている物を売ってくれという人が現れ、何もかも根こそぎなくなってしまった。

そして、イベントは終わった。クリスちゃんがドイツ自慢のビールを買ってきてくれて、その栓を開けて祝杯を挙げた。これほどうまいビールは多分当分飲むことはないと思う。
 成功の理由はいくつかあったのだろう。「妖精奇譚」のシステムを評価していただいただけではもちろんない。2年目の参加であり、去年のお客様がまた来てくださったこと。「The Game in the World」の小野さんのご紹介で、事前に商品の情報を海外のサイトに広報しておいたこと。那智上先生の素敵なイラスト。etc.etc.
 次の作品は重要な意味を持つだろう。来年はきっと、もう少し注目していただけるはずだから。

 開場から出たところで、日本語を少し勉強したというドイツの青年が両替をしてくれないかと話しかけてきた。彼のかたことの日本語に勇気を得て、勉強を始めたばかりのドイツ語で、「今ドイツ語を勉強しているんだ」と話してみた。彼は日本語でこう答えた。
ドイツの青年  「面白いですね。」
 来年に向けて、課題はまだまだありそうだ。

twitter

遊宝洞公式twitter

QRコード

QRコード

最近の記事

月別

カテゴリ

遊宝洞 商品ページ

伝説のかけら
仮面舞踏会
妖精奇譚
幻影奇譚
ヴァルキリー・ストライク